【2024年】代表取締役 鈴木雅輝インタビュー

2024年最初のブログは、代表取締役の鈴木雅輝へのインタビューです!

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昨年、2023年はどんな年でしたか?

生産抑制と猛暑、物価高騰で厳しい年を自家生産で乗り切った

2021年末から続く生産抑制と飼料や燃料の高騰で、一言でいえば厳しい年でした。
牛も人も新パーラーに慣れたこともあり、昨年春には個体乳量が過去最高をマークするなど生乳生産が絶好調だったにもかかわらず、生産量を調整しなくてはならないという残念さが際立ちました。ただ乳価引き上げという好材料もあるので、3月末までは割り当てられた分を順守し、きっちり絞り切りたいです。
昨年夏の猛暑については、牧草にはあまり影響がありませんでした。しかしデントコーンの育ちすぎが原因なのか、サイレージの品質評価の数値自体はよいのに牛の消化があまりよくなく、乳量がさほど伸びていません。次のサイレージが出来るまでに改善されるか、少し気がかりです。

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デントコーンの出来が乳量を左右する

さまざまな値上げの影響もありました。ただ、ほぼすべての牧草とサイレージを自家生産しているため、反収を上げる努力の結果が出てきていることや、バイオガスプラントによる発電とボイラー燃料化、また副産物である消化液を肥料として散布するため、購入する肥料代の節約という仕組みが出来上がっていることが功を奏しました。

2024年の展望を教えてください

新牛舎建設と増産に備えた準備の年に

長い生産抑制から抜け、2024年度の目標数量は前年比101となりました。まずは絞れることを喜び、きっちりと目標数量の達成を目指します。そして1年間自分たちの持てるすべてを駆使して生乳を生産し、来年度には牛舎を増築できればと思っています。

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まずは目標数量をきっちりと絞り切ること

もともと新パーラー稼働後に80100頭ほど牛を増やして増産する予定だったので2年遅れとなりますが、どこにどのような牛舎を作るか、そのために必要なものはなにかなど、今年はその下準備の年にしたいです。
牧場経営に欠かせない人材や労働力については申し分ありません。ここ数年で入社した新人たちも日々たくましく成長中です。それぞれの「メインになる仕事」も見えてきました。また昨年から実施している社員全員との年2回の個人面談では目標と結果を共有し、得意なところ、良いところを伸ばせるようにしています。

今後のビジョンは?

ゲノム検査と受精卵の活用で多角的な牧場戦略を目指す

日昭牧場ではゲノム検査により、優秀な遺伝子を掛け合わせた受精卵を使った受精卵移植もしています。雌雄の産み分けはもちろん、受精卵の移植を行うことで牛群の改良に務めています。
加えて受精卵の販売も始めました。近年の生乳抑制と子牛価格の下落で雌のホルスタインが減少しているので、受精卵の需要が高くなると予想し、新しい収入源になることを期待しています。そのような時流を読みながら、多角的に戦略を立てていきます。

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ゲノム検査の結果をもとにミーティング中

スタッフに向けたメッセージをどうぞ

今持てる力すべてを使い、生産を上げて行く

我慢の年が続きましたが、ついに生産抑制から脱却し、本来の生産活動ができることがなにより嬉しいです。生産抑制中に入社した新人たちにも、やればやっただけ数字が伸びる喜び、上を目指す楽しさをやっと知ってもらえると思っています。生産量の増加は、やりがいや仕事へのモチベーションに直結しますから。
今年は大きな設備投資はありませんが、人の力や今あるものを使って生産を上げて行くことに全力を注ぎ、最大限の結果を目指す年にしたいです。2024年が始まったばかりですが、来年の増産に向けて精一杯頑張っていきましょう。