BLOG日昭牧場だより
ロボットロータリーパーラー、始動!
3月に竣工した40台の搾乳ロボットを備えたロボットロータリーパーラーが、4月にいよいよ稼働しました!
→ロボットロータリーパーラー竣工式
牛が入るとそれまでの無機質さから一転。血の通う「生きた」施設になりました
自動で搾乳!ロボットパーラー
これまでは人が取り付けていたミルカー(自動搾り機)ですが、搾乳ロボットがカメラで乳頭の位置を検知し、自動で装着します(赤丸の部分)。乳房の洗浄、マッサージ、先搾り、本搾り、ポストディッピング(消毒)という一連の作業を、人の手を介さず行う最新型のロボット搾乳機です。
とはいえ、実際にミルカーの動きを見ると、牛によって乳頭の位置が異なったり、違和感からか足で払い落そうとする牛がいたりして、装着を数回やり直すことがありました。人の手で付けた方が早いのでは?とつい思ってしまう場面もありますが、今はAIが乳頭の位置や牛の特徴を学習中なのだそう。そのため、なるべく手出しはせず、ロボットに覚えさせるため見守っているのだとか。ただし牛のストレスになってはいけないので、様子を見て人が装着するなどフォローしています。
パーラー内にタッチパネル式のモニターを設置。搾乳状況など細かくチェックできる
牛も人も頑張ってます!
これまでの日昭牧場はパラレルパーラーといって、両サイドに16頭ずつ、合計32頭を並ばせて搾乳する方式でした。32頭が一斉にパーラーに入室、搾乳後一斉に退室する仕組みです。それがロータリーパーラーへの変更で、回転する台に1頭ずつ入り、搾乳後も1頭ずつ出る仕組みに変わりました。牛にとってはロボット以上に、動きの変化に慣れる必要があります。この「パーラー方式の変更による牛の混乱がどのくらいか」が、導入時の主な心配事でした。
そこで牛と人の混乱を最小限にするべく、最初から新パーラーで全頭搾乳ではなく、1日に1群(80頭)ずつ増やしていき、その他の牛は旧パーラーで搾乳することにしました。やはり初日はパーラーになかなか入らない牛、ストレスによりパーラーで糞をする牛が続出。しかしここを乗り越えなくてはなりません。牛も人も必死で頑張りました。パーラーメーカーさんからも応援要員をいただき、稼働からわずか1週間ほどで、かなりスムーズに搾乳できるようになりました!
働く人のことを大切に思っている牧場
「見ていて人がやったほうが早い、と思われるかもしれません。でも将来を考えると、恒久的な労働力の確保や、搾乳技術の均一化など、人の頑張りに頼るだけでは対応できないと思っています。人を助けるためのロボット化ですから。今の最高峰の技術といえるロボットロータリーパーラーを導入する牧場は、牛はもちろん、働く人のことを大切に考えている牧場だと思っています」応援に来ていたパーラーメーカーさんの言葉です。
また「日昭牧場さんの牛は、かなり順応性が高い。普段から人を信頼していると感じました」とも。どちらもとても嬉しい言葉です。
竣工式での代表あいさつ「日昭牧場が10年、20年と発展していけるように、この施設を通して労働環境の改善を目指す」を思い出し、あくまでも働く人のための新パーラー導入なのだと、改めて実感しました。
まだまだ稼働して間もないので試行錯誤はありますが、将来のために頑張っていきたいと思います!