ロボットロータリーパーラー竣工式

酪農家の心臓部と言えるのが「ミルキングパーラー(搾乳施設)」。日昭牧場でも365日、朝晩の搾乳に活躍中です。最新鋭だったこのパラレル式パーラーも、導入から25年以上が経ち、いよいよ更新の時期がやって来ました。牧場の最重要施設であるパーラーは、非常に繊細な施工を必要とするため、工事スタートから搾乳できるようになるまで約1年かかる一大プロジェクトです。

20210531_003.jpeg
現在のパーラー

地鎮祭~竣工式振り返り

20220326_001.jpg
20215月 地鎮祭

20220326_002.jpg
20219月 パーラー部分の基礎工事

20220326_003.jpg
202110月 鉄骨が建ちました

20220326_004.jpg

20220326_005.jpg
20221月 壁と屋根ができ、ロータリーパーラーの土台ができました

20220326_006.jpg
そして2022326日、無事に竣工式を迎えました

新パーラーはロボットロータリーパーラー

20220326_007.jpg
新パーラーの外観

現在日昭牧場では、朝夕5時間ずつ、スタッフ56人が張り付きで搾乳作業を行っています。この間ずっと立ちっぱなし、ほぼ休憩もありません。人を増やしてシフトを組み、休みを確保するなど、働きやすさに気を配ってはいますが、なんとか働く人の負担を減らしたい、その一心で選んだのが、今回導入した「ロボットロータリーパーラー」です。

ロータリーパーラーとは、ゆっくり回る仕切りのある回転台に牛が1頭ずつ入り、一周する間に搾乳される仕組みです。牛が動くので作業する人の移動距離が短くなり、作業負荷の軽減や作業の効率化に役立ちます。
しかし日昭牧場が導入したのは、単なるロータリーパーラーではなく、全国でも先進的な「ロータリーパーラーのロボット化」。これは従来方式では「人」が行う搾乳作業を、仕切りごとに設置した「機械(搾乳ロボット)」がすべて自動で行うシステムです。日昭牧場ではロボット40台になります!
例えばミルカーと呼ばれる自動搾り機について、通常は人が装着しますが、新パーラーでは搾乳ロボットが牛ごとに異なる乳頭の位置を3Dカメラで素早く検知し、自動で装着します。搾乳のほか、消毒や前搾りなども全自動で行います。

20220326_008.jpg
40台の搾乳ロボットが設置されたパーラー。赤枠部分がロボットです。

20220326_009.jpg
搾った牛乳を貯めるバルククーラーは15t×2機。1日約20tの牛乳を搾ります。

ロボットが約600頭の搾乳牛を自動で搾乳するので、最終的にはスタッフ1人がいればよい、ということになります。搾乳時間も1~2時間短くなる予定です。もちろん最初はそうはいかないでしょうし、どのように運用するかはこれからですが、今よりはるかに楽になることは確かです。
搾乳にかかる人手や時間が減ってうまれた人手や時間を有効に使って、新しいことへのチャレンジが可能になります。そして業界では珍しい「週休2日への挑戦」に向けた、大きなチャレンジでもあります。

すべては働く人のため

20220326_010.jpg

竣工式での代表挨拶です。
「日昭牧場の現状と将来のことを考え、ロボットロータリーパーラーを選択しました。北海道オリオン様、大野建設様、勝海電気様、田中工業様、土屋製作所様にご尽力いただき、無事この日を迎えることができました。ありがとうございます。酪農業界は、昨年末から厳しい情勢となりましたが、この新しい施設を核にして、日昭牧場が10年、20年と発展していけるように、社員一同頑張っていきたいと思います。従業員の皆さんには、これからパーラー立ち上げで、しばらくは大変な日々が続くかと思いますが、まずそこを乗り越えていきましょう。この施設を通して労働環境の改善ができると思いますので、今後ともお力をお貸しください」

将来の日昭牧場のため、そしてスタッフの労働環境改善のために新しい施設を作った、と力強く宣言した代表。このパーラーを核に、今後とも頑張っていきましょう!

20220326_011.jpg
牛乳で乾杯!!