【インタビュー】代表取締役 鈴木雅輝

2022年初めのブログは、代表取締役の鈴木雅輝さんにお話を伺いました!

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完成間近のミルキングパーラー前で

昨年、2021年はどんな年でしたか?

日々の仕事については、牛も人も大きなケガや病気もなく、生乳生産の目標も達成できていい年でした。ただ昨年12月から、全国的な乳製品の消費低迷で「生乳生産量の抑制」が求められています。今のところ生産調整(生乳廃棄)はなんとか回避していますが、増産体制から一転「現状維持」への方向転換ですからね。今までは搾れば搾るだけ売り上げが増えましたが、「ほどほどに搾る」ことになります。今後も状況が変わることもあると思いますが、どんなときも力を合わせて進んでいきたいです。

2022年の展望を教えてください

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姿を現した巨大な新パーラー

昨年から1年近くかけて建設している新ミルキングパーラー(搾乳施設)が、いよいよ完成します。基礎工事中はあまり感じませんでしたが、こうやって建物が出来上がって来ると、改めてその大きさに驚きます。現在、3月の稼働を目指して最終工事を行っているところです。
最大の特徴は「ロータリーロボットパーラー」であること。通常のロータリーパーラーは仕切りのある円形のターンテーブルに牛が1頭ずつ入り、ゆっくり一周する間に人がミルカー(搾乳機)を取り付けて搾乳していく仕組みです。対してロボットパーラーは、ミルカー操作やその他すべてを搾乳ロボットが自動で行います。
仕切りの数だけ自動搾乳ロボットを設置するので、日昭牧場の場合は40頭用のパーラー、つまり40基の搾乳ロボット導入というわけです。

ロータリーロボットパーラー導入の目的や期待される効果は?

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ロータリーパーラー部分。11つに搾乳ロボットが設置される

ずばり「労働時間の短縮」と「労働環境の改善」です。
日昭牧場では頭数が多いので、朝夕の搾乳時間がそれぞれ5時間ほどかかっているのですが、新パーラーでは約1時間短縮できる予定です。搾乳作業中は立ちっぱなし、休みなしなので、毎日2時間短縮できるのは働く人にとって非常に大きいですね。
また現在は搾乳作業にスタッフが5,6人必要なのですが、新パーラーになると1,2人で済みます。慣れるまではいろいろあると思いますが、今よりかなり少ない人数で搾乳できるようになります。短縮した時間と手の空いたスタッフで、別の作業ができますし、休みも増やせます。
実は酪農牧場では珍しいとされる、週休2日を目指しているんですよ。

<ロボットパーラー導入でこう変わる!>
  1. 搾乳スタッフの削減(5、6人→1、2人)
  2. 搾乳時間の短縮(5時間→4時間×1日2回)
  3. 手の空いた搾乳スタッフで別の作業ができる
  4. スタッフの休みを増やせる
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酪農牧場では珍しい週休2日を目指す

今後のビジョンを教えてください

理念である「長く安定して続けられる牧場」であるために、これからも「規模の拡大より、中身の充実」を掲げていきます。
単純に牛の数や畑の面積を増やすのではなく、同じ頭数、同じ面積でいかに売り上げを上げるか?を考える。経営者だけでなく、スタッフみんなでね。難しいですけど、だからこそ面白く、やりがいがあると思っています。
ただ考える、工夫することに面白味ややりがいを感じるには「ある程度長く働く」ことが必要で、最低でも23年は必要かなと思っています。
そのためにも「気持ちよく、長く働ける環境づくり」を継続して整備していきたいですね。

<2022年、新たな一歩を踏み出す>
新しい試みとして、スタッフ全員と個人面談をしていく予定です。それぞれの興味や希望、目標などを聞かせてもらい、キャリアプランに生かしたいと思っています。特に昨年秋から3人採用し、今年の春にも1人採用予定なので、人材育成についてしっかり考えていきます。
まずは無事に新パーラーを稼働させること。それによって働き方が大きく変わるはずなので、よりよくしていきたいと思っています。